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次元の衝突点

: 35°42'59.0” - N 139°46'07.4”E - 36.0892”AA Ft.

2021年1月9日 - 2月7日

出展作家

島田清夏

下道基行

ヘアビヒ・シェラボン

上村洋一

黒沢聖覇

顧剣亨

マリア・タニグチ

 本展は、TOKAS開催『冷たき熱帯、熱き流氷 Floating Between the Tropical and Glacial Zones』との共同企画である。本共同企画は、北海道大学との連携・協力のもとオホーツク海における流氷の調査及び作品制作を行ってきたアーティストの上村洋一と、ブラジルのアマゾン地域の自然環境・文化を調査したキュレーター及びアーティストの黒沢聖覇の2名による新しい環境観を志向する共同調査/制作プロジェクトである。

 

 彼らが焦点を合わせたオホーツクおよびアマゾンという場は、都市生活からは遠く離れた「極地」ともいえる。その「極地」における環境変化が、地球規模の生態系と私たちの現実を巻き込んでヒートアップし「熱さ」へと向かっていく現代。北海道オホーツク海における流氷と、それとは正反対のアマゾンの熱帯雨林のリサーチから得た成果を、「冷たさ」と「熱さ」の対比を用いながら、その2つを重ね合わせることで環境に対する新たな観点を提示することを目指している。

 

 本展タイトル「次元の衝突点(Collision point on dimensions): 35°42'59.0” - N 139°46'07.4”E - 36.0892”AA Ft.」は会場となるThe 5th Floorの緯度、軽度、絶対高度である。本展は、いわゆる「極地」に留まらない、地表における座標を提示する。

 

 2020年、新型コロナウイルス/COVID-19は、私たちの生活に不可欠だった「移 動」そのものを控えなければいけない現実を突きつけた。その移動不可に対するフ ラストレーションを解決する代替案を、私たちは多角的に探し求めている。熱帯と流 氷、或いは次元の「衝突点」。それらはこれまで到達しうる地表上の「極地」であったが、今となっては、私たちの居るこの場所こそが、極地なのかも知れない。

 

 さて、例えばある地点を明確に指し示す座標を人はどこまで想像可能なのだろうか、数値のみを突きつけられたとしても、それはただの数値でしかないだろう。本展は座標という合理化された言語から立ち上げる私たち人間のもつ想像力を喚起する試みである。

島田清夏(しまだ・さやか)

島田は、学部時代に花火の世界に出会い、そのエネルギーに魅了され、主に映像やインスタレーションのジャンルで作品を制作してきた。卒業後は花火のショーデザイナーとして活動を開始し、the International Fireworks Competition Hannoverをはじめとする国内外の花火大会に参加。花火、雷、放射線などの自然の要素を使った作品に興味を持つようになる。

下道基行(したみち・もとゆき)

1978年岡山生まれ。2001年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。日本国内の戦争の遺構の現状を調査する「戦争のかたち」、祖父の遺した絵画と記憶を追う「日曜画家」、日本の国境の外側に残された日本の植民/侵略の遺構をさがす「torii」など、展覧会や書籍で発表を続けている。フィールドワークをベースに、生活のなかに埋没して忘却されかけている物語や日常的な物事を、写真やイベント、インタビューなどの手法によって編集することで視覚化する。

ヘアビッヒ・シェラボン|Herwig Scherabon

ウィーンを拠点に活動。オーストリア・アルプスで育ったヘルヴィッヒは、風景や自然との長い付き合いがあり、大規模な現象の崇高な品質に興味を持っています。現象のデジタル解釈に力を入れており、主にコンピュータで生成されたイメージを用いたオーディオビジュアル・インスタレーションなど、さまざまなメディアを用いて表現している。近年ベルリン、パリ、ニューヨーク、ソウルで展覧会を開催。

顧剣亨(こ・けんりょう)

1994 年京都生まれ、上海育ち。京都造形芸術大学現代美術・写真コース卒業。大学在学中にアルル国立高等写真学院へ留学。現在、京都を拠点に活動中。 都市空間における自身の身体感覚を基軸にしながら、そこで蓄積された情報を圧縮・変換する装置として写真を拡張的に用いている。独自の手法で異なる時間、場所を接続し再構成することにより、空間の周縁に潜在するコンテクストへと視線を誘導し、風景を形づくる見えない情報的地層の断面を立ち上げている。

マリア・タニグチ|Maria Taniguchi

マリア・タニグチは1981年フィリピン生まれ。絵画や彫刻、映像、インスタレーションなど多様なメディウムを用いて作品を展開し、社会的・歴史的文脈を踏まえ空間や時間の探求を行なってきた。2015年にヒューゴ・ボス・アジア・アート賞を受賞し、2009年にはLUX Associate Artistsプログラムに参加。近年の主な展覧会に、「Global: New Sensorium」カールスルーエ・メディア芸術センター(カールスルーエ、2016年)、「The Vexed Contemporary」ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート・アンド・デザイン(マニラ、2015年)、第8回アジア・パシフィック・トリエンナーレ、QAGOMA(ブリスベン、2015年)がある。

上村洋一(かみむら・よういち)

1982年生まれ。視覚や聴覚から風景を知覚する方法を探り、主にフィールド・レコーディングを素材にインスタレーションやサウンド・パフォーマンス、音響作品、ドローイングを制作し国内外で発表している。フィールド・レコーディングを「瞑想的な狩猟」として捉え、 その行為を通して、人間と自然との曖昧な関係性を考察している。主な展示に、「札幌国際芸術祭 2020」(札幌、北海道、2020) 「道草展 : 未知とともに歩む」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、 茨城、2020)「Hyperthermia——温熱療法」(NTTインターコミュニケーション・センター、 東京、2019)がある。

黒沢聖覇(くろさわ・せいは)

1991年生まれ。東京都を拠点に活動。2019年東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。同研究科博士後期課程在籍。タイランドビエンナーレ・コラート2021コ・キュレーター。キュラトリアル実践を通して、自然環境・社会・精神の領域を横断する近年の新しいエコロジー観と現代美術の関係性を研究。展覧会制作に留まらず、他のアーティストと協働して作品制作も行う。主な展覧会に、「欲望:20世紀の初めからデジタル時代にいたるまでのアートと欲望のあり方の変遷」(アイルランド国立現代美術館、ダブリン、アイルランド、2019)「深みへ‐日本の美意識を求めて‐」(ロスチャイルド館、パリ、2018)などがある。

期間

2021年1月9日 - 2月7日

閉場日

火、水、木

開場時間

14:00 - 19:30

会場

The 5th Floor: 東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ5F

入場料

無料

主催

The 5th Floor

キュレーション・企画

HB.

共同企画

上村洋一 + 黒沢聖覇

協力

TOKAS、渡辺歯科医院、五十蔵

問い合わせ

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